競馬予想をしていくうえで調教という言葉を耳にした事があると思います。
調教とは、簡単に言うと競走馬のトレーニングをする事です。
トレーニング場所は主に栗東(関西)美浦(関東)施設で行われます。(美浦トレーニングセンターは北馬場、南馬場の2つに分かれています。)
新聞などの表記(調教の種類)は各調教項目に紹介しています。
ここでは調教の訓練方法や私なりの予想に役立つ情報を説明しますので参考になれると幸いです。
目次
- 調教の種類と目的
- 栗東、美浦坂路
- W(ウッドチップ)
- 芝 (障害は除く)or P(ニューポリトラック)
- D(ダート)
- プール
- 調教映像から見えてくる事
- 折り合いと発汗
- 競走馬の動きと反応
- 馬場状態
- まとめ
- 調教を予想にいかすには
調教の種類と目的
栗東、美浦坂路
栗東坂路は全長1085mで幅7m高低差32m、美浦坂路(改修後)は全長1200m幅12m高低差33mのウッドチップを使用しています。(ウッドチップは他の馬場と比べ足への負担が軽減されます。)
坂路の目的は瞬発力強化が主になります。
なので短距離馬に多く使用されます。
坂道なので平坦のコースと比べ筋肉への負担がかかる分筋量アップ効果がみられ使用されます。
(表記) 栗東(栗坂) 美浦(美坂)
W(ウッドチップ)
栗東CWは一周1800m美浦Wは2000mとなっています。
(ウッドチップは他の馬場と比べ足への負担が軽減されます。)
Wコースの目的は距離が長い分スタミナをつける事が主になってきます。
コースが広いので実戦的な練習も出来るようになります。
(表記) 栗東(CW)美浦(南W)
芝コース
栗東芝コースは一周1950m美浦芝コースは1800mとなっています。
芝コースの目的は芝に慣れさせる事が主になってくると思います。
(表記) 栗東(栗芝)美浦(南芝)
P(ニューポリトラック)
栗東Pは一周2038m、美浦Pは1858mとなっています。
Pは人工物で構成され天候の影響を受けにくくスピードがでやすいコースとなっています。
軽い力でスピードがでるので馬体への負担は少ないです。時計タイムが早くなるので心肺機能向上が得られるとなります。
(表記) 栗東(DP)美浦(南P)
D(ダート)
両施設にはダートコースがいくつかあります。
栗東Dの一周はBコース1600m、Eコース2200m、美浦Dは(北馬場)Bコース1600m、Cコース1800m(南馬場)Bコース1600m、Eコース2150mとなります。
ダートコースではダート馬のトレーニングに使われそうなイメージですが、有力馬の使用頻度は少なく主に折り合いをつける為やゲート練習などに使われます。
(表記) 栗東(栗B、栗E)美浦(北B,北C,南B,南E)
プール
栗東は円形プール(一周50m、幅3m、水深3m)直線プール(長さ25m、水深3m)馴致用プールの3つが設置されています。
美浦は円形(一周44m、水深2.8m)直線(39.3m、水深3m)馴致用プールの他にウォータートレッドミル(歩行訓練装置を水中に設置したもの)が設置されています。
プール調教では主に心肺機能向上、馬体のリフレッシュ効果などが期待されます。
基本的には栗東、美浦、両厩舎ともW(ウッドチップ)、坂路が使用頻度が多く主な調教トレーニングになります。
調教映像から見えてくる事
折り合いと発汗
馬は動物なのでその日の体調や気分で発汗したり、各馬の性格等で走り方が変わります。
そこで調教では、レースを覚えさせる為に折り合いの練習等をします。
折り合いとは馬が騎手の指示どうりに動けている事を指します。騎手が馬に指示を出す手段は主に〇左手に持っている手綱と右手に持っている鞭を使います。騎手は手綱を使い馬が行きたがると手綱を引き逆に進みが悪い時や今から全力で走りなさいと合図を出す時に手綱を押し鞭を入れたりします。
馬が行きたがる時は首を上げ騎手が手綱を抑える場面がある時は折り合いがついてないと判断ができます。
調教中にそういった場面が見受けられると本番のレースでも折り合いをかく可能性があるので注意が必要です。
その他に新馬戦やレース経験の浅い馬でレース中に騎手が手綱を抑えている時はその馬にレースを覚えさせていると
判断する事もあります。
馬が発汗すると首や背中や股等から白い泡状の汗が流れてきます。
馬の発汗については基本的に馬も人間と同じで暑い夏や興奮したりすると汗をかきやすくなります。馬が発汗している時は運動中、運動後に上がった体温を下げる為や緊張、ストレス、興奮状態等が考えられます。
逆に体温が上がった状態で汗をかかないと馬も熱中症にかかる為運動中、運動後の発汗は平常だと考えられます。
その為レース前やパドックで大量に発汗していると一概には言えませんがイレ込んでいる(緊張、ストレス、興奮)と判断する事もあります。
競走馬の動きと反応
ここでは馬の走法(走り方)や調教中に競走馬が乗り手の指示でどのように動き反応出来ているか私が最も重視しているポイントを説明したいと思います。(坂路と併用では見るポイントは変わりません)
馬の走法はいくつかあり競馬での走法は襲歩(しゅうほ)と言い全速力で走るとこのように動かし走ります。
右後肢→左後肢→右前肢→左前肢の順番で左手前
左後肢→右後肢→左前肢→右前肢の順番で右手前
どちらも最後に着地した前肢で決まります。
基本的には左右の手前で方向転換するのでコーナーでは、右回りなら右手前、左回りなら左手前で走ります。
この時に逆手前で走ると遠心力で外に膨れる事になります。
馬は手前の方向に重心が乗っているので一方の手前で走るとそちらの方に疲労が溜まりやすくなります。
調教映像では、大体コーナー付近から直線までの映像(右回り、左回り)が映されます。
まず回りを確認し上記で述べたコーナーでの手前の走り方をしているかどうか(右回りなら右手前)を確認して直線に差しかかる時に逆手前(右回りなら左手前)に変えているかをチェックします。
この時に馬自身で手前を変えているか乗り手の合図で手前を変えているのかを見ています。
どちらが良いか判断は難しいですが、私は過去の調教映像と見比べその時と変化があるのか、またその時に好走しているか好走していないかで見比べ判断するようにしています。
馬場状態
トレセンでの馬場状態の評価も競馬場と同じく、良、稍重、重、不良の4段階で表示されます。
その日の馬場状態で走るタイムが変わる為とても重要になります。
基本的に芝の場合は良馬場から不良馬場にかけてタイムがかかります。ダートの場合はその反対に不良馬場の方が
タイムは速くなります。
芝は雨が降ると滑りやすくなり路盤も水分を含み柔らかく泥っぽくなります。その為タイムがかかりパワーが要する
馬場になります。
良馬場の場合でも競馬場では馬の脚に負担をかけなくする為に路盤を柔らかくする場合もあるので、その場合は馬が地面を蹴る時に芝が捲れ上がりタイムがかかります。レース中に競走馬が道中そんなに速く走っていなくても芝が捲れ上がるのが多いとタイムがかかる馬場になります。
ダートは雨が降ると砂が固くなる為タイムが出やすくなります。砂浜を想像してもらうと分かりやく、人間もサラサラした砂浜を走る場合はパワーがいり時間もかかります。
ウッドチップも芝と同じく良馬場の方がタイムが出やすいので調教タイムをしっかりチェックしてみて下さい。
まとめ
調教を予想にいかすには
私たちは調教映像や競馬関係者のコメントなどから予想するしかありません。
初めは難しですが、馬の体の動きや走法、調教タイム、厩舎の考え、騎手の考えなども考慮し勉強していく事をお勧めます。その中で他の人の予想を丸乗っかりするのではなく、参考までにし独自の予想を決めていくと競馬予想の楽しさが増します。
最後に調教映像を見るお勧めアプリはここからリンクを張り付けてますので、参考にして見て下さい。